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ゲリーロック大使 米国公聴会でのチベットに関する質問の回答

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(2011年7月27日)

2011年7月27日、米国上院は前商務長官ゲリーロック(Gary Locke)を中国駐在大使とすることを正式発表した。公聴会での上院より提示された質問に対するゲリーロック大使の回答を下記に抜粋する。

質問:2008年3月以来、四川省のキルティ僧院での事件に代表されるとおり、チベット人は激化する弾圧に耐え続けています。先月、キルティ僧院は治安部隊により強制占拠され、25人の僧侶が拘束、他300人の僧侶が「チベット愛国心教育者」として連行されました。また2名の一般人が治安部隊により殺されています。鎖国状態にあるラサ以外の地区を含め、正しい現状を把握するため、またチベットの宗教、文化、チベット人権擁護提唱のため、チベットへ行くことを約束しますか?

回答:国務省は中国に対し、チベット地区での米国政府関係者、報道関係者、チベット地区内外巡礼者の行動規制緩和を要請しています。ラサ以外の地区を含め、チベット地区への渡航は、北京の米国大使館にとって重要で最優先事項であり、もし規制緩和がされれば、中国に対し、そのような活動の(宗教・文化・人権擁護のためのチベット渡航)機会を強く求めます。

質問:2008年に、国務省がラサに米国領事館設立を優先目標として掲げましたが、その目標への取組みは続けますか?

回答:米国と中国において、現在6人の外交官が互いの国にいます。領事関係ウィーン条約及び中国との二国間協定において、次期外交官の就任には相手国政府の同意が条件となっています。

2008年、国務省は外交文書を送り、米国の最重要事項として、中国とラサでの米国外交のプレゼンスの拡大への関心を示してきましたが、中国政府からは未だ返答がありません。

国務省はひきつづき、最重要事項として、ラサでの領事館設立を目標とする事を約束します。もし承認されれば、この目標に向かい取り組み続けます。

質問:長年にわたり米国が掲げている政策 、『1)中国政府 / ダライラマ(及び彼の代理人) の対話支援  2)チベット人独自の文化的、宗教的、言語的財産の保持努力支援』、この政策及び中国政府へのコミュニケーションを着実に行ってくれるような、特別調整官や機関と共に活動するつもりはありますか?

回答:許可が得られるならば、チベット問題特別調整官や、チベット問題について中国の指導者に頻繁に率直に取り上げてくれる機関と、密に連携をとり働きたいと思います。国務省はチベット地区における人権状況を、また中国政府とダライラマ代理人の9回に及ぶ話合いも進展が無かった事を非常に懸念しています。特別調整官と協議の上、中国及びダライラマ代理人間の今後の対話を支援し、チベット人の宗教的、言語的、文化的アイデンティティの保持を含め、懸念や論争の解消につとめたいと思います。

質問:米国外交官の中国国内渡航及び米国訪問に対し、全面的制限及び一部アクセス制限の方針に悩まされています。中国人職員は、米国国内どこでも渡航でき、また米国本土にて広範囲に及び中国文化振興活動を自由に行うことができます。中国に対し、米国外交官の中国国内における広範囲の—チベット地区や東トルキスタンといったセンシティブな地区も含め—渡航や移動の自由を要求しますか?

回答: 中国全土での米国外交官の移動の自由を主張し続けます。米国が、中国発展に関する正確な情報を発信するためには、頻繁に中国全地区へ渡航しその地区の人々と関ることのみです。注目されているセンシティブな時期であるチベット及びチベット地区の不幸な例外を除き、大使館は常に、中国国内の渡航に関し、少なからず制限を設けられています。しかしながら、彼らは通常、外務省や地方政府の承認なしでは、省及び地方政府や機関(大学も含め)の関係者に会うことができません。米国外交官は通常、新疆ウイグル自治区、またチベット自治区の外側を訪問し、これらの地区に対し、幅広い米国の利益、とりわけ米国国民の安全と福祉について、提唱しています。代理大使Robert Wangは新疆地区を5月に訪問しました。この訪問は公的に承認されず、訪問中、米国外交官は、省、地方政府、大学関係者と接する事ができませんでした。

チベット自治区への渡航は、中国政府により制限されており、また我々の公的訪問もケースバイケースで承認されるものの、非常に稀です。2010年9月にHuntsman大使が渡航を許可されていますが、他の多くの渡航訪問リクエストは拒否されています。四川省のチベット人地区への訪問は、この地区が原則的には許可されているものの、地方警察により現地で拒否されています。

これは、わたしが取り組むべき重大な問題です。米国政府は、米国外交官や連邦議会議員、外国人報道者の、チベット自治区への自由なアクセスを、長い間要求しています。認められるならば、今後も高いレベルにてこの問題を提起し続けます。


(翻訳:Hiromi Fujita)